
『コミックエッセイ』2回目です。
【1回目のコミックエッセイ】では虐待されていた小型犬を保護した話でしたが、その保護犬「ももちゃん」のエピソードの続きです。
ペットたちを「くん」「ちゃん」付けにしております。人間の子であれば我が子なのにお恥ずかしいことだと思いますが、ペットたちの場合は愛称として捉えていただきたくお許しください。
辛い目に合い続けたももちゃんのこと

「ももちゃん」を保護した時はすでに11才になっていました。
引き取る時に元の飼い主に確認したので確かな年齢です。
元の飼い主一家はももちゃんを敷地内に放置したまま隣町のマンションへ引っ越してしまいました。
そしてその土地の建物を壊して更地に戻す工事の間もずっと、敷地の片隅に繋がれ続けたのです。
わたし達親子が初めてももちゃんを発見した時、ボロボロのミルクパンには雨水が溜まり、その中はナメクジだらけでした。
フードは数日ごとに飼い主の息子がドロドロに汚れたお皿に入れに来ると近所のひとに聞きました。
正直な感想は「ご近所さん達は長い年月、なぜ何ひとつ動いてくれなかったのか」
匿名で保護団体へ連絡したり、毛布の一枚でも何とか与えたりできなかったものか。
近所のひと達の中で誰かひとりでもももちゃんの悲惨な状況に心を痛めてくれたひとがいたのでしょうか。
「ももちゃん布の柔らかさを知る」コミックエッセイ第2回


布一枚すら与えてもらえなかったももちゃんの過去

ももちゃんは保護されるまではタオルや毛布の存在を知らなかったのかも知れません。
我が家に来た当初は柔らかい布の上に陣取ることを覚え、フカフカな感触に嬉しそうでした。
ももちゃんを発見した時、ボロボロで古いハウスの中にはタオル一枚もありませんでした。
硬くて冷たい底板のままです。
出会った時期は梅雨の頃でしたが、雨が降って肌寒い日でも真冬に雪が降っていても何もない冷たい底板の上で寝ていたのですね……。
我が家の洗濯物の上に歩けないカラダでよじ登っていく姿に「これから過去を一切忘れるくらいに幸せになろうね!」と感じた瞬間でした。
しかも、発見時のももちゃんが繋がれていた鎖は小さなカラダよりもかなり重くて短く、ハウスにかろうじて入れる長さしかなかったのです。
排泄物はハウスの周りに溜まり、ハエがたかっていて異臭が相当なものでした。
そんな重くて短い鎖に繋がれっぱなしで放置され11年。
鎖から解放されると本能で前に進もうとするのですが、筋力も弱く歩き方がわからない戸惑いが見られました。
我が家の一員になったもももちゃんは、我が家の先住犬達に歩き方を教えてもらいながら、一生懸命歩く練習をしていました。
「ももちゃんのこと」はまだ続きます。
『コミックエッセイ』第2回目、お読みくださりありがとうございました!