
ペットショップで「この犬は血統書付きですよ」と言われたことはありませんか?
それっていかにも『この犬の価値は高いですよ』と言われているような気になります。
血統書は家族になる犬には必要なものでしょうか。
我が家の歴代家族、ポメラニアンの『コロちゃん』はペットショップで出会ったのですが「血統書付きです」と言われ、結果【血統書は嘘だった】という「なんとまぁ」なエピソードです。
昔はほんと、いろいろあったものです……(^_^;)

コロちゃんをペット美容室で失ったエピソードも併せてどうぞ!
ペットたちを「くん」「ちゃん」付けにしております。人間の子であれば我が子なのにお恥ずかしいことだと思いますが、ペットたちの場合は愛称として捉えていただきたくお許しください。
初めてペットショップでの購入

わたしの初めての愛犬はポメラニアンでした。
その時代の名付け方らしい、名前は「コロちゃん」
まだ生後3ヶ月ほどでコロコロ遊んでいたから「コロちゃん」になった記憶があります。
1977年、わたしが小学2年生の頃でした。
その時代は庭に繋いで番犬として飼うというスタイルが主流でしたので、愛玩用としてペットショップで購入するにはショップの数も少なかったと思います。
ようやく『犬の飼い方』の本が発売され始め、少し前まではスピッツが大流行していたらしく、小学生のわたしには何の知識もありませんでした。
でも小さい頃から動物が大好きだったので、犬の飼い方など全く勉強もせずにただ「ペットショップを覗いてみようか」という感じで両親と近所のお店に初めて行きました。
そこで出会った窓側のサークルに入れられた小さな茶色のコ。
生後3ヶ月、毛がまだ生えそろっていない小さな小さな犬に惹かれました。
そのコの種類は『ポメラニアン』。
店員の方が「将来はこんな感じになります」と見せられた成犬の写真はフワッフワの毛がフサフサしていてすごく可愛い!
今でこそ『ポメラニアン』は馴染みある有名な犬種ですが、当時世間では「スピッツとどう違うの?」という時代だったんです。
なのでその写真を見せられて「こんなショボショボでガリガリのコが?こんなに立派な毛が生えるの?」と両親は不思議に思ったようです。
でも子供の頃のわたしはそのショボショボのコが愛しくてたまらなかったのです!
「血統書付きですよ」の言葉

純血種以外のことを今は「ミックスちゃん」と可愛い表現をしますが、当時は「雑種」と言っていました。
そしてほとんどの飼い犬がその「雑種」であった時代、ドッグフードの認知度も低く、人間のご飯の残り物にお味噌汁をかけて与えるなんて話も普通にありました。
そんな頃なので我が家も「血統書って何?」な状態でした。
でも店員さんはそのポメラニアンを家族に迎えるか思案しているわたしたちに向かって「この犬、血統書ついてるんですよ!」とのお言葉。
そして血統書がついている犬がいかに素晴らしいものかを力説されました。
「血統書付きの犬って凄いんやねぇ」
そう思ったわたしたち。
後から考えるとコロちゃんとの出会いは血統書は関係なく、ただただ「かわいい」と感じた純粋なものだったと思うのですが、それでも「血統書付きの犬」が家族になったという嬉しさもあったかもしれません。
後日、何もかもが嘘だったことがわかった

コロちゃんが我が家に来てから家の中は明るく賑やかになり、コロちゃんは可愛くて可愛くて仕方がありませんでした。
でも、購入したペットショップは最悪なお店だったことが後日になってようやくわかったのです。
「フサフサになりますよ」の嘘
コロちゃんが成長するにつれてフサフサになると信じていたのですが、一向に毛は生えてきません。
ずっとショボショボのままなのです。
そこでやっと「おかしいのではないか?」と気がついた母は動物病院に連れて行きました。
すると診断の結果は完全なる【皮膚病】!!
あのまま放置していたら悪化する一方だったという状態だったのです!
酷い!酷すぎる!コロちゃんは今まで皮膚の状態が悪いのを我慢していたことになります。
店にいる間も何の治療もしてもらえず、それでも購入時点で言ってくれればすぐに病院へ連れて行けたはずなのに、その店は『売る』ことしか考えていなかったようで、そんなマイナス情報は伝えなかったのでしょう。
皮膚病と分かってからは通院が始まり、皮膚病専用のシャンプーを使い、薬や食べ物によってコロちゃんはだんだん皮膚が治っていき、フサフサの毛が生えてきたのです!
ようやく立派な『ポメラニアン』になりました。
知識があれば店員のいい加減な情報を信じなかったはずなのにと悔やまれます。
「ポメラニアンって本当は小さい頃からフサフサじゃないかーーー!!」と、衝撃の真実!
「血統書付きですよ」の嘘
「後日血統書がご自宅に届きますので」とお店から言われていたのですが、なかなか届かずお店に確認の電話をかけるも「手続きに日数がかかるんです」と返答があるだけ。
周りに血統書について詳しい知り合いはいないし、インターネットで調べることもできない時代だし、母もわたしも「そんなものか」と思い数ヶ月が経ちました。
そのうちペットショップの人の態度も変わっていき、まともに取り合ってくれなくなった辺りで「騙されていたんだ」と理解することとなります。
今の時代なら詐欺になるのではないですか!?
それって昔でもやっぱり詐欺ではないのかしら。
血統書付きの理由で金額も高く設定されていたら詐欺になると思うのですが……。
いやはや何ともこちらに『知識がない』とはこういうことになるんですよ!
でもその頃にはすでにコロちゃんはしっかりとわたしたちの【家族】です。
「血統書が付いていないのならいりません。やっぱり返します」なんて絶対にできないです。
こんなに可愛いコなのに血統書がなんだって言うんだ!
そもそも『血統書とは何か』なんてことすら知らなかったのに、今更血統書にこだわる必要があるのか?と思いますよね。
「こんなに可愛いコだから血統書は必要ない」という結論に達し、ペットショップにはその後何も問い合わせませんでした。
そしてもちろん血統書が届くことはありませんでした。
そもそも「血統書」って何?

我が家の『血統書詐欺』のエピソードはもう45年も前の「昔話」です。
その後は『血統書付き』のコも『血統書なんて元々ない保護犬』もいろんなコたちと生活してきました。
どの子もみんな可愛い家族です。

果たして「血統書」は必要なものなのでしょうか。
血統書の本来の役割
「血統書」とは、犬の【血筋】を血統書発行団体であるジャパンケンネルクラブ(JKC)や日本社会福祉愛犬協会(KCJ)の審査によって保証されたものです。
純血種を繁殖させるために必要であり、「血統書」には犬種名、登録番号、性別、生年月日、毛色などの犬のデータが記載されているので兄弟や親戚を探せるサービスもあるようです。
犬種によって理想の姿を定められた『犬種標準』が満たされていないと血統書は発行されないため、競技会に出場したい場合は血統書が参加条件になっている場合もあります。
血統書は必要不可欠なもの?
「血統書」は両親の血筋がはっきりとわかって、純血であることの証明になるものです。
よって同じ犬種同士の競技会やドックショーに出場する場合の証明になります。
ブリーダーとして純血種を増やしていく場合は必要です。
それ以外、家族として一緒に暮らす上では全く必要ではありません。
「血統書」がないからと言ってそのコの価値が下がるわけでも決してありません。
「血統書」はなくても家族にかわりはない

競技会出場やブリーダーとして繁殖を考えていなければ、なくてもいい「血統書」。
『あったらいいし、なくてもいい』くらいの気持ちで愛犬と暮らしていいと思います。
実際我が家のどのコも競技会などに出たことがないので、結局「血統書」は片付けっぱなしで『わざわざ出して見る』ことはしないです。
なのでコロちゃんのことも可愛い我が子への愛情自体は何ら変わるものでもないと思えたので、『血統書詐欺』は世の中のことを良く知るきっかけになりました。
今後事件に巻き込まれないためにも「知識は必要!」これに限ります。
今の時代はそこまで悪質な店はない事を信じたいのですが、くれぐれもペットショップの選び方はどうぞお気をつけくださいね。