
ペットを失うということは計り知れない大きな悲しみに突き落とされます。
可愛い家族を天国へ見送ったあと、残された家族は一体どうなってしまうのでしょうか。
ペットロスとはどのような状態のこと?

『ペットロス』とは、ペットを失ったことにより、さまざまな精神的・身体的な症状が起こることです。
大切なペットとの急な別れという「突然訪れたショックな出来事」によるストレスから精神疾患や体調不良などを引き起こしてしまうのです。
主な症状としては
- 不眠
- 摂食障害
- 胃潰瘍などの消化器疾患
- 錯覚
- 幻聴
- 情緒不安定
- うつ病
個人差はありますが、長期間寝込んでしまう場合もあります。
愛するペットを失うということは、深い悲しみを経験するということなのです。
ペットを失うことは決して慣れるものではない

我が家がペットを天国へ見送るたびに、その時の気持ちはどうだったかというと、毎回『初めて経験したかのような悲しみ』を感じています。
どのコも唯一無二、オンリーワンなのです。
みんなとても可愛い。
【別れ】に慣れることなんてできません。
そしてなぜ『ペットロス』について書こうかと思ったかと言いますと、最近わたしの母が今はまだとても元気な愛犬、ミニチュアシュナウザーのクリスとの「いつかのお別れ」を想像して悲しんでいるのです!
「この子がいなくなったらどうしよう」と言ってわたしの目の前で泣くのですよ。
「ちょっと!まだまだ元気なのに、今からそんなことでどうするのよ!冗談じゃないよ〜」とわたしはいつも呆れ顔で返答するのですが、母は冗談ではなく本気の本気で言ってるのです。
困ったなぁ。
現在母の元にはミニチュアシュナウザーのクリスしかいません。
クリスは今12才です。
犬の寿命は種類にもよりますが、だいたい平均14〜15年とされていますので、クリスはもう老犬の域に入っています。
母はまだ来ぬ未来を憂いてばかりいるのです。
可愛い我が子がまだとっても元気なうちから『ペットロス』の症状が出そうです……。
今まではどうやって乗り越えてきたか

なぜ母は今からそんなに不安がっているのか。
それは現在愛犬が『クリス』しかいないからなんです。
これまでたくさんの家族(ペット)が虹の橋を渡って行きました。
でも別れと直面するたびペットロスによって寝込まずに済んだのは、長年『多頭飼い』だったからなのです。

天国へ見送っても悲しみにふけってばかりではいられなかった理由は、ズバリ『他のコたちのお世話をしないといけなかったから』です。
残されたコたちは元気にご飯を食べます。
排泄もするし、お散歩にも行きます。
「生きてるんだな」って実感させてくれるのです。
そのコたちがいるから朝早くに起きられるし、カラダも動かせるのです。
悲しくて朝起きたくなくてもお散歩の時間はやってくるし、お散歩中に立ち止まって涙が溢れてもみんなの為に歩いてやらないといけない。
そうやって目まぐるしく日々を送っているうちに少しずつ悲しみが薄らいでいったのです。

多頭飼いをしていなかった時の方が元の生活に戻るまでにかなり時間がかかりました。
ペットロスにならないようにする気持ちの持ち方

経験してみて思ったことは、大切な存在を失った時は『決して一人で克服しようとしてはいけない』ということです。
できるだけ周りのひと達とそのコが「どれだけ可愛かったか」「どれだけ賢かったか」「どれほどかけがえのない存在だったか」などの思い出話をたくさん話してほしいのです。
無理に元気に振る舞うのではなく、素直に涙は流してしまった方がいいです。
逆に悲しみに暮れてペットロスの症状が出てしまうと、今後の生活にも支障が出てしまいます。
一枚一枚、薄紙を剥がすようではありますが徐々に気持ちを和らげていく方法は『悲しみをひとりで抱えてしまわないこと』です。
今の時代は専門医によるペットロスカウンセリングもあるので、話を聞いてもらって重症化を防ぐことができます。
そして今回の母の件ですが。
母はクリスが虹の橋を渡ってしまったら「自分はひとりになってしまう」という不安に駆られているようです。
ペットは飼い主に全幅の信頼を寄せて、全身で愛情を表現してくれるとても大きな存在です。
そんな愛の塊のような存在が目の前からいなくなるのは想像しただけで辛いですね。
でも可愛いペットは、飼い主と縁があって家族になれたことや一緒に暮らせた日々など、とても楽しかった思い出を胸に天国へ旅立っていってくれていたら、残されたこちらは泣くばかりではなく、かけがえのない日々を与えてくれたことに感謝の気持ちを持ちたいと思うのです。
それを母に伝えてはいるのですが、頭で理解しても気持ちがついていかない様子です。
無理もないことではありますが……。
これは、クリスにいつまでも元気で長生きをしてもらわなければ!