
昨年の年末に76才の母が事故に遭いました。
なんと愛犬のお散歩中に自転車にはねられたんです。
そしてその後数ヶ月、以前のようにスタスタと歩けなくなっていたところ、今高齢者の方界隈(?)で流行っているカート付きバッグを使えば歩けると喜んでいましたので、母と同じような悩みのある方に届いてほしいエピソードです。
自転車事故に巻き込まれた顛末

日頃しっかりと気をつけていても、事故に遭ってしまうことがあるのだと思い知らされる出来事でした。
警察に電話する前に警察相談専用電話の方に聞いてみた
母は夕方の愛犬の散歩から帰る途中、車があまり通らない道を選んで歩いていました。
住んでいるマンションまであと少しのところ、十字路の手前で一旦道の端に寄って車や人通りがないか確認していた瞬間、背後から『ドンッ』と衝撃があったそうです。
幸いにも転倒はしませんでしたが、痛みのあまりうずくまってしまい、その時にそばを歩いていた女性が「何やってんの!」と自転車を運転しているひとに向かって叫んでくれたそうですが「急いでるから!」と去ってしまったそうなのです!
その瞬間母がチラッと見たのは女の子の自転車が母のことは気にせずに走り去っていく後ろ姿でした。
叫んでくれた歩行者のひとが様子を見に母のそばまで来てくださったのですが、犬を連れていたこともありなんとか自力で帰ることができると伝え、痛みを堪えながら時間をかけて自力で帰ってきました。
そしてわたしのスマホに母から連絡が入り「今頃怖くて震えがきている」という内容に驚いたわたしは「それはひき逃げ事故になると思うから、警察に直接電話するのは気がひけるのなら『警察相談専用電話の#9110』にかけてみたらどうか」と返信をしました。
【警察相談専用電話#9110とは】犯罪や事故の発生には至ってないけれど、ストーカーやDV・悪質商法など警察に相談したいことがあるときには、警察相談専用電話#9110をご利用ください。全国どこからでも、電話をかけた地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。
引用元:政府広報オンライン
『#911』に電話をかける際は『#』も必ずつけてください。
母はすぐに電話をかけたようです。
わたしが帰宅後すぐに母宅に駆けつけた時には少し落ち着いていたようで、椅子に座っていました。
しかし「相談の担当さんがすぐに救急車を呼ぶようにと言われたけど、どうしよう」と言うのです。
その時の母は何もかもが不安だったようで、救急車はわたしが呼びました。
すると救急車と一緒に警察官が3人も来られたのです。
救急車で運ばれた母は様々な検査を受け、特に心配するような結果ではありませんでしたが、レントゲンには写らないくらいの小さなヒビが肋骨に入っているようで、時間が経つにつれてだんだんと自ら身体を起こせなくなってきていました。
念の為入院となりましたが、わたしが預かっていた愛犬のことが気になって仕方がないと言って、翌朝退院してきました。
自転車の事故でも加害者と被害者となる
母が検査をしている間、病院に来られた警察官の方が丁寧に事故の話を聞いてくださり、わたしと母のラインのやり取りの写真まで証拠として撮っていかれたのですが、親子のやり取りのラインの内容を見られるのはかなり恥ずかしかったです。
わたしは事故に遭った母に向けてのラインに「うんうん」や「ペコリ」などの可愛いスタンプを押しまくっていたのですから。
でも常に家族に向けてのラインはだいたい『です、ます調』の文にしているので、言葉遣いが荒いなどの恥はかかずにすみました。
いつ、どこで、何があるかわからないので、日頃から気を引き締めておかないといけませんね。
今回はわたしまで冷や汗をかきました。
警察官の方は「自転車は車のようにナンバープレートをつけておらず、細い道に入り込まれてしまうとほとんど犯人が見つからないケースが多いのです」とおっしゃいました。
母は骨折や内臓損傷のような大怪我はしていませんが、ぶつかってきた女の子はれっきとした【犯人】なのですね。
翌日から警察は犯人を探すために様々なことをしてくださいました。
道には目撃者探しの看板を立ててくださったり、事故現場の周辺を通る自転車を一台ずつ停めて確認をしてくださったり、道を一本出た大通りにはパトカーが常に停まっていました。
そして一週間もしないうちに警察より『犯人が見つかりました』と連絡があり、その犯人はすぐ近所に住んでいることが分かりました。
かなり近所だったという事情によりこのブログではその辺りをぼかして書かせていただきますが、後日さらにはっきりわかって驚いたのは、
「自分が事故を起こしたとは全く思っていなかった」ということなのです!
目の前で動けなくなった高齢者がいて、しかも「急いでいるから!」と叫んだ以上、ぶつかったことの認識はあったはずなのですが、それが事故と思わなかったとは!
捜査中の警官から声を掛けられ、事故の話を聞いて「それわたしだ!」という状況だったようです。
それでもその女の子やご家族からの謝意に誠意を感じましたので、訴えることはせずに示談で話を進めました。
こちらは絡んでやろうと思う輩でも『その筋』の関係者でもなんでもないので、先方はかなりホッとされていましたが、もし誠意を示してくれなかったとして、母から訴えられたとしたらかなりしんどい結末になっていたのではないでしょうか。
日常に戻ってはみたものの

警察の方々にお世話になったり、しばらく通院したり、相手のご家族と示談の話をしたりと母もわたしもかなりバタバタな毎日でしたが、警察の手続きが全て終わるとまたいつもの日常が戻ってきました。
ところがすっかり元通りの日常とはいきませんでした。
母の背中がかなりな猫背になり、腰まで曲がってしまったのです。
原因は肋骨に小さなヒビが入ったせいか呼吸により肺が膨らむと痛むらしく、前かがみな姿勢を続けていたせいで背筋を伸ばせなくなってしまったのです。
家で療養をしている間に足まで弱ってしまっているようでした。
近所のスーパーでさえ歩いて行けず、外出が困難な状態になってしまいました。
愛犬が使用しているペットカートやわたしの肩など、何かに支えられていたら歩けると言うので【杖】をすすめたら絶対イヤだと言うのです。
母に聞いてみると、杖を持つのは老人になった気分になってちょっと抵抗あるのだそうです。
本人はまだ老人気分ではないようです。
ご近所にも90代の方が背筋を伸ばしてシャキシャキ歩いておられるので、70代なんてまだ若いと思います。
そして自分が「老人になった」と思ったら、その時から老人なのであって、若いと思っているといつまでも若くいられるのだとも思います。
おしゃれなカート付きバッグがちょうどいい?

最近バスに乗っているご高齢者の女性を見ていると、ほとんどの方が押して歩いている印象の『カート付きバッグ』。
「ショッピングカート」や「キャリーカート」とも言われていて、若い子も可愛いカートを引っ張って旅行している時代です。
最近では様々な色や形があって、コンパクトなものも多く見かけるようになりました。
商店街を歩いていても、店先に目立つように陳列しているのはおしゃれなカート付きバッグです。
カートにバッグが付いていたら普段重く感じている荷物も楽々運べるし、「これはいいんじゃない!?」と母の好きなデザインを探してみました。
そして見つけた小さなカート付きバッグ!
早速ネットショップから注文して届いてみたら、大きさもデザインもお年より臭くなくて母は大満足!
「ちょっと支えてくれていたら歩ける」と言っていた通り、そのカート付きバッグが届いた日から一人で外出ができるようになりました。
外出できるようになると「いつまでも健康でいたい」と思うようになり、近所のカイロプラクティックに通い始め、背中の曲がりもマシになってきています。
今では腰が曲がっていた事はほとんどわからないくらい、真っ直ぐな姿勢になっています。
わたしは「カート付きバッグのお陰で母が前向きになれた」と思えるほどです。
『もたれて歩けるキャリーバッグ』という特徴があり、大変助かります。
あの自転車事故によってもしかしたら母は寝たきりの状態になっていたかもしれないと考えるとゾッとします。
ある日突然今までの日常が奪われないように、くれぐれも事故には気をつけないといけませんね。